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木賃宿で静脈を延ばすという甘美な夢 [新宿四丁目]

ひなびた うらぶれた風情の 裏通りが好きだと言ったら

会社のベテラン営業マンが
「だったらお勧めは此処 ! 」と、教えてくれたスポット



新宿4丁目ビジネス・旅館街
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南は「新宿タカシマヤ」デパート、東はファストファッションの「Forever21」に囲まれてるのに・・
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まるで都会の「盲点」「死角」のような、静かな裏通りです
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夜。
 新宿の旭町(現在の新宿四丁目)の木賃宿へ泊った。石崖の下の雪どけで、道が餡このようにこねこねしている通りの旅人宿に、一泊三十銭で私は泥のような体を横たえることが出来た。三畳の部屋に豆ランプのついた、まるで明治時代にだってありはしないような部屋の中に、明日の日の約束されていない私は、私を捨てた島の男へ、たよりにもならない長い手紙を書いてみた。
                                            1930年(昭和5年) 「放浪記」林芙美子


「木賃(きちん)宿」とは
お米を炊くための木賃=薪代をとって、旅人に自炊させて泊めた宿屋さんのことです
                       (※ドヤ街のドヤは、木賃宿のヤドを逆さに読んで出来た言葉だとか)




さて、放浪記の舞台から約85年経過した現在
一番気になったのが
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二階の窓が二層になっている、こちらの旅館
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                                旅館「中田屋」新宿区新宿4-4-15

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東京へご出張・ご旅行の際は、JR新宿駅南口から歩いて5分
格安「新宿4丁目ビジネス・旅館街」にて、ご宿泊されてはいかがでしょうか





そして私のほうは、というと
林芙美子の自伝小説を反芻しつつ・・

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   「全生活を振り捨てゝ木賃宿の布団に静脈を延ばし」

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   「私を捨てた島の男へ、たよりにもならない長い手紙を書いて」

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明日の日の見えない退廃への甘美な夢の誘惑へ、さらに「静脈を延ばし」てみたいとおもいます

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