トキワ荘の抒情派~森安なおや [豊島区]
「風かおる里」という名の特別養護老人ホーム前に
まだ少女だった頃のむかし
読んだことのある気がする抒情豊かな漫画
森安なおや作「いねっ子わらっ子」のモニュメントがありました
「特別養護老人ホーム風かおる里」豊島区南長崎6-15-6
前掛けに大切そうにくるまれたウサギが、かわいい
花・蝶・鳥などが散りばめられた画面は
ほのぼのとした優しさに包まていて
いつまでもぼーっと眺めていたい気持ちになります
トキワ荘メンバーのひとり
「森安なおや」は、トキワ荘いちの抒情派漫画家で
主に ”貸本少女漫画” を描いていましたが
貸本業界の衰退によって
執筆の機会がなくなっていってしまいました
小学一年生のころ
わたしは腎臓病で3か月間入院してたことがあって
そのとき祖母が毎日、貸本屋さんから借りてきてくれた少女漫画の中に
「いねっ子わらっ子」があったかどうか、正直定かではないけれど
もし読んでいなかったとしても
少女のむかしに読んだ気がすると懐かしい想いに
胸がきゅっと鳴る感覚が
この作品の持つ大きな魅力かとおもいます
ドラマ「まんが道」で森川正太が演じた
森安なおやは、かなり変わった人物でした
藤子不二雄がイタズラで蝋細工のピーナッツをすすめたところ
NHK銀河テレビ小説「まんが道~青春編」第13話
「ちょっと湿ってるけど、なかなかイケるな」と
美味そうに次々と口に放りこんでゆく
衝撃映像がくっきり印象に残っています
タカリ癖があって借りたお金は返さない
人の私物を勝手に売り払う
締め切りは守らない
気が乗らなければ描かない
トキワ荘いちの抒情派は
トキワ荘いちのトラブルメーカーでした
作者と作風のギャップが激しすぎて
どう受け止めていいのやらってかんじです
トキワ荘の中心地~寺田ヒロオ [豊島区]
トキワ荘の22号室に住んでいて、住人たちに " テラさん" と呼ばれ
慕われていた漫画家「寺田ヒロオ」の代表作
「背番号0」(1956年~)のモニュメントが
豊島区立の南長崎スポーツセンター前にあります
NHK銀河テレビ小説「まんが道~青春編」第10話
主人公「ゼロくん」が所属する、少年野球チームのホームグラウンドは
「トキワ荘」にほど近い
この場所にあったグラウンドがモデルだったそうです
「南長崎スポーツ公園」豊島区南長崎4-13-5
「ゼロくん」が生まれた、テラさんの22号室は
マンガの聖地トキワ荘界隈の散策拠点
「トキワ荘通りお休み処」に再現、展示してありました
「トキワ荘通りお休み処」豊島区南長崎2-3-2
アニキ肌で、面倒見がよくて
ドラマ「まんが道」では
トキワ荘メンバーの、いつも中心にいたテラさん
NHK銀河テレビ小説「まんが道~青春編」第4話
リアルタイムでドラマを見ていた
わたしにとってのテラさんは
演じていた河島英五のイメージそのままなのですが
晩年のテラさんが、世俗との関係を断って
最期「緩慢な自殺」と呼ばれる死に至るまでの道のりは
抱いていたイメージとは違っていて
その苦悩や葛藤がどんなものだったのか
想像することさえむずかしいです
トキワ荘の青春~共同炊事場 [豊島区]
手塚治虫・藤子不二雄など漫画界の巨匠たちが青春の日々を過ごした
伝説のアパート、トキワ荘を再現した
「トキワ荘マンガミュージアム」へ行ってきました
豊島区立「トキワ荘マンガミュージアム」
豊島区南長崎3-9-22
モノがむきだしに置かれ、混沌としているようで
どこか統一感のある「共同炊事場」
煮炊きをするための鍋やコンロは自分で用意し
ガスを使うには、月ごとに
料金を払わなければならなかったので
収入の安定しない
下積み・駆け出しの漫画家たちにとっては
負担になることも多かったとおもいます
奥の「流し」には
歯磨き粉、洗濯板やタライなども置いてあって
洗面台としても
洗濯場としても使用されていたようです
藤子不二雄の自伝漫画をドラマ化した
昭和60(1987)年放送の
NHK銀河テレビ小説「まんが道~青春編」では
夏の暑い夜、赤塚不二夫と石ノ森章太郎が
流しのなかにすっぽり入り、まっぱだかで体を洗ってました
お風呂代わりとしても(たまに)活躍していた
万能「共同炊事場」なのでした
四畳半フォーク~神田川ジオラマ [豊島区]
昭和レトロ館「人世横丁ジオラマ」の隣りには
四畳半フォークの代表曲、かぐや姫「神田川」の歌詞を再現した
ジオラマが、並んで展示してありました
「神田川周辺ジオラマ」/山本高樹
トキワ荘通り昭和レトロ館(豊島区立昭和歴史文化記念館)
早稲田~高田馬場あたりの神田川は
川が、豊島区と新宿区の(ほぼ)区境になっていて
歌詞のなかの、神田川を見おろす
「三畳一間の小さな下宿」は豊島区
橋を渡って「二人で行った横丁の風呂屋」
→安兵衛湯は新宿区にありました
ちなみに神田川の歌碑は
もっとずっと上流の
なぜか、中野区にあったりします ☆
「神田川歌碑」中野区中央1-13-9
むかしの本屋さんの店先って
たいていこんなレイアウトでしたね
コンクリート製のゴミ箱も
なんだか懐かしいです
展示室には、ずーっと
「神田川」の曲がエンドレスで流れていたので
歌詞と、ジオラマの情景と、幼かったころの自分の記憶が
つぎつぎとリンクしていって
すっかり昭和の住人になり切ったきぶんでした