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花の命は短くて苦しきことのみ... [落合]

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 花のいのちはみじかくて


   苦しきことのみ多かりき

              林芙美子





その夜- 昭和26(1951)年6月27日

時刻は11時を回っていました



突然、芙美子は苦しみはじめ、翌28日午前1時、帰らぬ人となりました

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婦人雑誌の食べ歩き取材記事のため外出し、夜10時過ぎに帰宅


家族と団欒したあと、床に就いた矢先の出来事でした

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享年47歳

心臓病(心臓弁膜症)を抱えていた林芙美子は、主治医の忠告を聞き入れず


執筆に追われ、取材旅行も多くこなしていました

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絶筆は、朝日新聞に連載中だった長編小説「めし」

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芙美子夫妻は生後間もない男の子、泰をもらいうけ養育しますが


泰は16歳で事故死します

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平成元(1989)年に物故した、夫で画家の緑敏は


自らの死期を悟ったとき・・

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「放浪の作家」林芙美子が、身骨砕いて築き上げ

その生涯を閉じるまで10年間暮らした「終の棲家」を、新宿区に遺贈しました



それが、落合にある「新宿区立林芙美子記念館」です

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林芙美子の命日(6月28日)に、 ちなんで


普段は入ることのできない「林芙美子記念館」の建物内部が

特別に公開されるというので行ってきました

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芙美子邸へ4度訪れたという、太宰治の

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「ヴィヨンの妻」初版本の扉絵は、じつは林芙美子が描いたモノだそうです(知らなかった☆)





ざまざまな年代の女性たちとともに

芙美子愛にあふれるベテラン解説員さんの熱弁に聞き入りながら

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64年前、この部屋で行われた林芙美子の告別式で

子供をおんぶしたりエプロン姿に買い物かごを さげた、大勢の「おかみさん」たちが



焼香を待って何百人も行列したという稀有な光景に、思いを馳せました








花のいのちはみじかくて



苦しきことのみ多かれど






    風も吹くなり


    雲も光るなり

               林芙美子



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                                  2015.6.28 「林芙美子記念館」新宿区中井2-20-1


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コメント 15

こじろう

放浪記の作者さんだったのか~。
花のいのちは短い・・・沙羅の花ならあっという間だな。

前回のコメント欄を読んでいて思ったけど,あれ,地元の話じゃないんだな。
北陸?辺りの話で怖い話を集めた本で読んだ記憶があった,っていうだけだぞっ♪
by こじろう (2015-07-11 22:25) 

cafelamama

「放浪記」「浮雲」「めし」「稲妻」「晩菊」「妻」
原作は読んだことがありませんが
映画化された成瀬作品で林芙美子はなじみ深い作家です。

by cafelamama (2015-07-11 22:42) 

ばー助

本を読まないので、かろうじて知ってるのは、放浪記…
しかも、ワイドショーで見た、森光子さんのでんぐり返りくらいしか思い浮かばないのはヤバイ(>_<)ホンヲヨマネバ…
by ばー助 (2015-07-11 23:46) 

獏

一時期 本の虫だった獏ですが
林芙美子さんは読んだことがないのです
読む前に事前知識が入りすぎたのかも。。。(@w@;)

by 獏 (2015-07-12 06:32) 

ikamasa

こんにちは。林芙美子さまの住まい。わたしがはいった時は庭回りだけで外から中を見ていました。家の中にあがってみたんですね。落ち着くところです。たびたび公開されている場所なのでたくさんの人押し掛けてもよさそうですが、中を歩くと、やっぱり「貸切」状態の方がいいかとおもってしまいます。
by ikamasa (2015-07-12 10:45) 

akipon

本を読んだことないのに、名前だけは子供の頃から知ってました。
何故かと思い調べたら、NHKの朝ドラのせいだったんですね!
もちろん自覚はなかったですが、親がよく話してたんだと思います。
by akipon (2015-07-12 13:07) 

NO14Ruggerman

林芙美子記念館は確か毎年2月に開催されている「染めの小径」なるイベントでも開放されていますよ。
by NO14Ruggerman (2015-07-12 21:20) 

yes_hama

読書といったら漫画だった私。
林芙美子さんのことをぜんぜん存じておりません。
お恥ずかしい。
でも、風情のある場所ですね。
じっさいに訪問したら落ち着きそうです。^^)
by yes_hama (2015-07-12 22:21) 

すぴーどきんぐ

放浪記というと森光子のイメージが強いためか、林芙美子って歳を取っているような印象があったのですが、若くして亡くなっているんですね。

苦しきことのみ多かりき・・・
それだけで終わらない後段の部分が、凡人とは違うとこかな。
苦しいときには、なかなかそうは思えないのですが。。。



by すぴーどきんぐ (2015-07-12 22:58) 

山子路爺

大分前ですが、尾道の記念館を訪れた事が有ります。
目的は坂道散歩と尾道ラーメンで、記念館はほんのついでに、でした。
今度はもっとジックリと……東京の記念館とも。

by 山子路爺 (2015-07-13 10:19) 

さきしなのてるりん

文子の文体が難しくて途中で読むのやめっちゃったたけくらべ。解説書だけ読んで彼女の数奇な生涯には共感した
by さきしなのてるりん (2015-07-14 09:40) 

はなだ雲

こじろうさん、こんばんは
花の命も短いけど、平家の栄華も短命でしたネ
「肉付きの仮面」のお話の舞台は、いまトレンドの北陸でしたか!
仮面が顔から剥がれなくなって・・それからどうなったのか結末が気になる☆
やっぱりググりたい笑

cafelamamaさん、こんばんは
林芙美子の原作で
こんなにたくさん映画化されているんですね
わたしは「めし」しか見てないのですが
絶筆だったってことは、映画のラストは創作だったってことかも
もういっかい見てみたいと思いました

ばー助さん、こんばんは
放浪記といえば、でんぐりかえしですね!
しょうじき・・私も中高生以来、ほとんど本は読んでないので
せめて世界を魅了してるクールジャパン=漫画くらいは読みたいと思うけど・・
本屋さんの漫画コーナーは、どうしても敷居が高くて。。

獏さん、こんばんは
事前知識・・・3つくらい思い当たるフシがあります
獏さんも本のムシだった時期がお有りだったんですね!
私も中高生のとき本のムシだったので、勉強する時間なんてなかった(?)けど
きっと獏さんは読書も勉強も、なんなく両立されてたんでしょうね

ikamasaさん、こんばんは
林芙美子記念館、行かれたことがあるのですね☆
今回の特別公開は70分の団体行動で
自分のペースで見ることは出来なかったので・・そこはアレでしたが
やっぱ解説員さんにお話を伺うのは面白いデス!
旧林芙美子邸、おそろしく趣味のいいお宅でビックリ
この家も、林芙美子が遺した作品のひとつだとおもうので
これからもずっと長く維持されればと思いマス(新宿区の税金で)

akiponさん、こんばんは
NHKの朝ドラで林芙美子の半生をやっていたとは
知りませんでした!
朝ドラの主人公はお茶の間のアイドルとして全国に浸透しますから
そのモデルさんともなれば、すごい知名度
ナルホド~そうだったんですね

NO14Ruggermanさん、こんばんは
「染めの小径」というイベントでも公開されるんですか
「染めの小径」、名前からして興味ふかい^^
しかも年に2回、調べて今度行ってみよう

yes_hamaさん、こんばんは
読書と言ったら漫画、いいじゃないですか笑
私も漫画好きでした~でも最近の漫画はサッパリわかりません
なんかすごい風通しの良い趣きのあるお宅でした
木造は、地震のとき怖いけど、やはり落ち着きますネ

すぴーどきんぐさん、こんばんは
そうそう林芙美子は森光子のイメージで
長生きの印象ですが、47歳だったのですね
「花のいのちはみじかくて苦しきことのみ多かりき」
辛いとき、苦しいとき
この言葉をいったい今までどれほどココロのなかで反芻してきたことでしょう
この言葉を吐いた人も、さぞや苦しかったことだろうと
自分だけじゃないんだ!と、どれだけ慰めになったかしれません

山子路爺さん、こんばんは
尾道は、一生に一度は訪ねたい場所です
行ったことがないので、ぜひ行ってみたいです
坂道と、林芙美子記念館目当てで^^

てるりんさん、こんばんは
たけくらべは確かにムズカシイ文体
てるりんさんが数奇な人生に共感されたのは樋口一葉なのか林芙美子なのか
気になるところ^^
by はなだ雲 (2015-07-15 06:55) 

masa

落合にこんなところがあったんですね。知りませんでした^^;
新宿区てけっこう作家の所縁の地があるんですよね?
by masa (2015-07-17 01:00) 

U3

いいひとときを過ごさせて頂きました。
ありがとうございます。
by U3 (2015-07-18 21:21) 

はなだ雲

masaさん、こんにちは
いや私も、落合の林芙美子記念館は、ずっと気になってはいたものの
初来館でございました
「新宿歴史資料館」で、新宿ゆかりの作家さんや画家さんや・・
その他もろもろ、情報を仕入れておりマス

U3さん、こんにちは
そんな言葉をかけてくださる人がいらっしゃるなんて....(感動)
身に余るお言葉、こちらこそありがとうございます^^
by はなだ雲 (2015-07-19 09:14) 

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