のらくろ、episode「ワン!」 [江戸下町旅情]
いつの間にか失くしてしまったけれど...
父から譲り受けて
こどもの頃けっこうお気に入りだった、漫画本「のらくろ」
「のらくろ」のことを思うと、今でも
切ないような、甘酸っぱいような懐かしい気持ちで胸がきゅーッと、鳴るのは
どうしてなのか
その理由を、思い出したくて
下町深川にある「のらくろだらけ」の商店街、「のらくろ~ド」へ行ってきました
「深川・高橋のらくろ~ド」江東区高橋
「男の子は犬と戦争ごっこが好き」という発想から
のらくろは、戦前の昭和6年より、講談社「少年倶楽部」で連載が始まりました
本名、「野良犬黒吉」の名前どおり
天涯孤独で、雑種で、小さな、黒犬が
持ちまえの機知と勇気で、所属する「猛犬連隊」で軍功をあげ出世していくお話です
・・穏やかでほほえましい商店街ですが、、たったひとつだけ穏やかならぬものハッケン・・
のらくろの町に、掲げられた「ゲルニカ」。。 そこに深いメッセージ性があるのかないのか・・・しばし感慨にふけりマス
さて、「のらくろ~ド」を通り抜けると
幼少期から青年期までを、深川で過ごしたという「のらくろ」の作者・・
「田河水泡」にまつわる品々が並ぶ記念館「のらくろ館」に、たどり着きます
「田河水泡・のらくろ館」江東区森下3-12-17 森下文化センター1F
そして、私が求めていた、「答え」は....
「田河水泡」の妻の実兄である、文芸評論家「小林秀雄」の著書のなかに、ありました
「のらくろというのは、実は、兄貴、ありゃ、みんな俺の事を書いたものだ。」
私は、一種の感動を受けて、目が覚める想いがした。
彼は、自分の生い立ちについて、私に、くわしくは語った事もなし、こちらから聞いた事もなかったが
家庭にめぐまれぬ、苦労の多い孤独な少年期を過した事は、知っていた。
言ってみれば、小犬のように捨てられて、拾われて育った男だ。
「のらくろ」というのん気な漫画に、一種の哀愁が流れている事は、私は前から感じていたが
彼の言葉を聞く前には、この感じは形をとる事が出来なかった。
まさに、そういう事であったであろう。
そして、又、恐らく「のらくろ」に動かされ、「のらくろ」に親愛の情を抱いた子供達は、みな
その事を直覚していただろう。
恐らく、迂闊だったのは私だけである。
「考えるヒント」/小林秀雄
はつきりしてはゐないが
なんでも覺えてゐるのは
箱の蓋にのつて
川に流されてゐたことです
お母さんのことも兄弟のことも
いまとなつてはどうしても
思ひ出せない
目に浮かぶのはあの冷い
川の水の色だけ
鼠の死んだのや大根の尻尾
そんなものと一緒にどこまでもどこまでも
流されて行く
ひつくり返つたら
僕も犬の死んだのになつて
やつぱり流されて行くのです
心細い限りです
「のらくろ子犬時代」少年倶楽部付録(昭和10年7月号)/田河水泡
父から譲り受けて
こどもの頃けっこうお気に入りだった、漫画本「のらくろ」
「のらくろ」のことを思うと、今でも
切ないような、甘酸っぱいような懐かしい気持ちで胸がきゅーッと、鳴るのは
どうしてなのか
その理由を、思い出したくて
下町深川にある「のらくろだらけ」の商店街、「のらくろ~ド」へ行ってきました
「深川・高橋のらくろ~ド」江東区高橋
「男の子は犬と戦争ごっこが好き」という発想から
のらくろは、戦前の昭和6年より、講談社「少年倶楽部」で連載が始まりました
本名、「野良犬黒吉」の名前どおり
天涯孤独で、雑種で、小さな、黒犬が
持ちまえの機知と勇気で、所属する「猛犬連隊」で軍功をあげ出世していくお話です
・・穏やかでほほえましい商店街ですが、、たったひとつだけ穏やかならぬものハッケン・・
のらくろの町に、掲げられた「ゲルニカ」。。 そこに深いメッセージ性があるのかないのか・・・しばし感慨にふけりマス
さて、「のらくろ~ド」を通り抜けると
幼少期から青年期までを、深川で過ごしたという「のらくろ」の作者・・
「田河水泡」にまつわる品々が並ぶ記念館「のらくろ館」に、たどり着きます
「田河水泡・のらくろ館」江東区森下3-12-17 森下文化センター1F
そして、私が求めていた、「答え」は....
「田河水泡」の妻の実兄である、文芸評論家「小林秀雄」の著書のなかに、ありました
「のらくろというのは、実は、兄貴、ありゃ、みんな俺の事を書いたものだ。」
私は、一種の感動を受けて、目が覚める想いがした。
彼は、自分の生い立ちについて、私に、くわしくは語った事もなし、こちらから聞いた事もなかったが
家庭にめぐまれぬ、苦労の多い孤独な少年期を過した事は、知っていた。
言ってみれば、小犬のように捨てられて、拾われて育った男だ。
「のらくろ」というのん気な漫画に、一種の哀愁が流れている事は、私は前から感じていたが
彼の言葉を聞く前には、この感じは形をとる事が出来なかった。
まさに、そういう事であったであろう。
そして、又、恐らく「のらくろ」に動かされ、「のらくろ」に親愛の情を抱いた子供達は、みな
その事を直覚していただろう。
恐らく、迂闊だったのは私だけである。
「考えるヒント」/小林秀雄
はつきりしてはゐないが
なんでも覺えてゐるのは
箱の蓋にのつて
川に流されてゐたことです
お母さんのことも兄弟のことも
いまとなつてはどうしても
思ひ出せない
目に浮かぶのはあの冷い
川の水の色だけ
鼠の死んだのや大根の尻尾
そんなものと一緒にどこまでもどこまでも
流されて行く
ひつくり返つたら
僕も犬の死んだのになつて
やつぱり流されて行くのです
心細い限りです
「のらくろ子犬時代」少年倶楽部付録(昭和10年7月号)/田河水泡
もちろん懐かしいです。(^_^ゞ
僕らの頃は町内に貸し本屋さんがあって10円とかで借りられた時代です。
のらくろやさざえさんなんかをよく借りた憶えがあります。
表紙などもうボロボロでしたけどね。
のらくろードなんてのがあるんですね、行ってみたいです。
京都に美味しいハンバーグを出す「のらくろ」って古い洋食屋さんがあります。
どうしてそんな屋号にしたのか聞くのを忘れましたが・・・(^_^ゞ
by 路渡カッパ (2014-09-27 17:38)
のらくろ世代ではありませんが、もちろん知っています…
と言っても、記事を読むまで全然知らなかった事を知りました(苦笑)
こんな場所や記念館まであったのですね。また、田河水泡と
小林秀雄の関係も初めて知り、ちょっと意外でした。
それにしても、お父様から譲り受けたのらくろ本は残念でしたね…
by akipon (2014-09-27 18:43)
のらくろは、かろうじてテレビアニメでやっていたのは覚えています。
大山のぶ代さん(かな?)の声が印象的でした。
by yes_hama (2014-09-27 19:51)
面白いブログですねぇ。今日回った中で一番良かったです。
また遊びに来ますね。
by シルフ (2014-09-27 22:37)
こんにちは。のらくろ館にいったんですね。わたしも、親に全集を買ってもらって、大切にしていたのですが、友達に貸したり、回し読みするうちに、半分くらいなくなったことをおもいだします。セリフが軍隊言葉でむずかしかったはずなのに、絵の表情にひとつひとつきもちがあって、子供でも引き込まれるものがあったのだとおもいます。これをよんでから、漫画というものが好きになりました。
by ikamasa (2014-09-28 07:14)
こんにちは。
子供のころによく読んでいたと思うのですが、
どんな内容だったのかあまり思い出せません。
まあ、マンガなら何でも良かったんでしょうね^^。
by 海を渡る (2014-09-28 12:13)
栃木県の小山市に、「野楽炉」と書いて「のらくろ」と読む小さな居酒屋があるのを思い出しました。
ほんと記憶の底に埋もれていたのですが。。。
ゲルニカ、気になりますねえ。
しかもアーケードの屋根の上?という微妙な気づきにくい場所。
でも結構しっかり書き込まれてます?
うーん、気になりますね(。-_-。)
by すぴーどきんぐ (2014-09-28 13:14)
のらくろの漫画やアニメは見たことないですが、それとなく知ってます。
こち亀で、両さんが解説してたのを読んだんだっけかな(?_?)
時代背景もあって、かわいいキャラだけの漫画ではなさそうですね…
by ばー助 (2014-09-28 15:43)
野良黒の名前とそのキャラは知っていましたが、戦争ものということで読んだことはありませんでした。小林の評を読んで、その人気の訳がわかりました。
by さきしなのてるりん (2014-09-28 21:04)
のらくろ僕も子供の頃は愛読していました
何も考えずに読んでいましたが、奥が深いですね(^_^)
by hrd (2014-09-28 21:42)
路渡カッパさん、こんばんは
「サザエさん」と、あと「いじわるばあさん」も面白かったですね!
わたしがこどもの頃も貸本屋さんは、あって
おもに楳図かずおとか怖い本ばかり借りて読んでました♪
ハンバーグ屋さんで「のらくろ」、どんな由来なんでしょう
akiponさん、こんばんは
小林秀雄「考えるヒント」は高校の時に読んだはずなのに
2人が義兄弟だった事は・・記憶の中から飛んでました
akiponさんの「サービスショット」見ました♪
前髪パッツンパッツンの、かわいい昭和の子だったんですね!
うちの弟もおんなじような髪型だったけど、じつは私も同じ髪型でした
随分大きくなるまで
弟と一緒に「床屋さん」で切ってもらってたせいだとおもいます
yes_hamaさん、こんばんは
私も覚えてます~大山のぶ代の「のらくろ」
でもやっぱり漫画本のほうが印象に残ってるかな^^
シルフさん、はじめまして
面白かったでしょうか♪ありがとうございます
コメント頂けて嬉しかったです
ikamasaさん、こんばんは
おー全集持っていらしたんですか
それは「貸して!」「貸して!」ってことになりますね^^
大切にしてたのに・・半分も無くなってしまって悲しー。
あの古めかしい言葉が逆に面白くて
意味わからないこともたくさんあったけど、なんか好きでした
のらくろは、日本のミッキーマウスなんだそうです(犬だけど)
海を渡るさん、こんばんは
私もあんまり漫画の内容は覚えてなかったんですが
なんとなく「思い」だけは残ってたんですよね。。
すぴーどきんぐさん、こんばんは
栃木県の居酒屋さんまで飲みに行かれるんですね
テリトリー広すぎです^^
商店街のアーケードの屋根のうえのゲルニカ
もっと近くから撮った写真を一枚載せればよかったんだけど。。
しっかり書き込まれてたとおもいます
気がついたとき、ゲッ、ゲルニカだ~って・・
なんでここに?って、すごい不安になりました
ばー助さん、こんばんは
両さんが漫画の中で「のらくろ」の解説をしてたんですか
読んでみたいですー
口実を見つけて、軍はのらくろの執筆を禁じたそうです
そういう時代を生き抜いてきた漫画なんですネ
てるりんさん、こんばんは
「戦争ものだから」。。そういう理由で読まない人も多かったのかもしれません。。
ただ、別の側面も持ってて、私はそこに魅かれたのだなと
今回あらためておもいました^^
hrdさん、こんばんは
こどもの頃は、むずかしいことはわかりませんから
ただ愛読してただけで十分と、わたしはおもいます^^
by はなだ雲 (2014-09-28 22:49)
江東区にのらくろードやらのらくろ館なんて建物があると初めて知りました。
小学生の時、区立図書館の貸出券作った理由が、のらくろかサザエさんを借りるためだったのを思い出しました(笑)
by ちょんまげ侍金四郎 (2014-09-29 08:32)
いやいや、仕事の関係でちょっとだけ住んでたことあるんです(^ω^)
駅前に新宿の思い出横丁を小さくしたような横丁があったんですが
再開発でなくなっちゃいました。
あ、こんど小山城に行ってこようかな(*'▽'*)♪
by すぴーどきんぐ (2014-09-30 02:12)
のらくろで思い出したけど、
丸運っていう運送会社があって、
そこのイメージキャラクターがのらくろなんだよな~。
どういういきさつがあったのかは知らないけど。
そんなことを思い出した次第(笑)
by ちくわ (2014-10-01 10:15)
のらくろだらけっ!
こんな場所があるとは思いもよらなかったな。
ふと,幼馴染に,フィリックスガムの偽物?とのらくろの区別がついてない人がいたのを思い出した。
桃太郎神社は,名古屋から車で1時間くらいだな。
きっと「はなだ雲さん好みの空間」だと思うぞっ♪
お時間があれば是非とも・・・・・。
by こじろう (2014-10-02 21:33)
ちょんまげ侍金四郎さん、こんにちは
江東区、お近いのにご存知ないってことは
「のらくろ~ド」も「のらくろ館」も、あんまりメジャーじゃないのかな
ていうか「のらくろ」自体、知名度が・・若い世代に特に低いことに
そうとうショックをうけました☆
すぴーどきんぐさん、こんにちは
全国各地、異動がおおいんですねー、ごくろうさまでございます
でもあれこれ視野が広がりそうで羨ましくもありマス
「再開発」という名のゴジラが、次々と町を破壊していくんですネー笑
小山城行ったとき、ついでに居酒屋「のらくろ」リポートも
おねがいしたいデス^^
ちくわさん、こんにちは
「丸運」って、たまにトラック走ってるけど、のらくろでしたっけ
のらくろの著作権は作者と講談社が持ってるハズだけど
キャラクター使用料とか、だいたいどれくらい
お支払いされているのかとても気になる。。
(下世話~)
こじろうさん、こんにちは
フィリックスガム、なつかしいですが
え”、偽物?、もしや許可とらないで勝手に使ってたのかな
フィリックスとのらくろ・・
かたや舶来ネコ、かたや純国産のイヌ・・まあ似てますけどね♪
桃太郎神社・・わたし好みってことは
そうとう、うさんくさいってことですね笑
by はなだ雲 (2014-10-04 11:11)